金丸良子教授による公開講演会「ベトナム・ドンホー版画の世界」が開催されました

本学外国語学部の金丸良子教授が、平成28年6月25日に麗澤大学生涯教育プラザ1階のプラザホールにて、「ベトナム・ドンホー版画の世界」と題して講演し、20名の方が聴講しました。
金丸教授による公開講演会と展示会は、麗澤オープンカレッジが開校した平成18年から始まり、今回で通算21回目を迎えました。




ベトナム・ドンホー版画は、ハノイの郊外40キロの堤沿いの地に位置する村に伝承されるもので、「ゾー」と呼ばれるパピルスのような植物の樹皮に、光沢を出すためにカキの貝殻の液を付着させ、天然染料で色付けされます。中国年画の影響の強いもの、ベトナム固有の文化を色濃く反映したものなど、その豊富な題材に驚かされます。今回は、その代表的なものを中心に紹介されました。あわせて、金丸教授が蒐集された専門書籍の数々、現地で撮影された貴重な写真スライドも公開され、非常に興味深い講演会となりました。講演会が開始されるまでの間には、ベトナムの水上人形劇に関する動画が投影され、聴講生はベトナムに伝わる民間芸術についてイメージをふくらませることできました。
講演会の冒頭、色鮮やかなベトナムの伝統衣装・アオザイを身にまとった金丸教授は、ご自身の経歴とこれまでの展示会の主題の概略について解説され、アオザイについて3月にハノイを訪れた際に1日で仕立ててもらったこと、チャイナドレスとの違いなどについても紹介されました。
次に金丸教授は、ベトナムの地理的環境、民族構成、言語、文字、宗教などについて資料に基づき解説されました。総人口9,170万人のうち、公式に認められている民族が54もあり、中国の総人口、民族数と比較して非常に多いこと、ベトナム語を表記するために13世紀に発明された合成漢字の「チュノム」について、国語の「クオック・グー」が普及されるまで固有語の表記に用いられたが、漢字と混ぜ書きされたことや画数や字の生成過程が複雑であったことなどから20世紀には衰退してしまったことなどについて説明されました。



版画のテーマには、上記のチュノムや裕福の象徴である「豚」が頻繁に取り上げられることなども紹介され、靴を履いている高級官僚と裸足の庶民が描かれている版画について、裸足を人前に晒すことはほとんどなく、纏足を行ってきた中国との大きな文化的な違いを感じる旨、述べられました。
最後に金丸教授は、「ロイ・ヌオック」と呼ばれるベトナムの水上人形劇について、多数の美しい写真資料とともに紹介され、起源は9世紀の中国に遡るとされる説があること、人形本体はイチジクの樹木から製作されること、ハノイの水上人形劇の工房における製作過程や腰まで水に浸かって行われる不思議な上演形態について解説され、起源とされる中国では消滅してしまった水上人形劇がベトナムに残っていることは非常に貴重と締めくくられました。
講演会の終了後、聴講した方々は、絵画を中心とした金丸教授の蒐集品が展示されている展示コーナーを見学しました。金丸教授は展示コーナーを歩き回りながら、展示品の解説をされ、聴講生からの質問に熱心に答えられました。聴講した方々からは、「前回の講演会に参加して感銘を受けて今回を楽しみにしていた」、「金丸先生から直接、話をうかがって理解が深まった」、「ベトナムにぜひ行ってみたい」等の声が寄せられました。




金丸教授の研究室は以下をクリックしてください。水上人形劇に関するページも掲載されています。あわせて、ぜひご覧ください。

<金丸良子教授の研究室>

なお、後期の金丸教授の公開講演会は「中国 ペー族・ナシ族 文化展」が予定されています。皆様のお越しをお待ちしています。
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