ROCKの学習コーディネートで真殿 達 教授が講演

2014/04/24

テーマ「制度疲労の日本経済」

 平成26年3月25日、麗澤大学かえで棟1603教室において、本学の真殿 達 教授(経済学部教授・麗澤大学キャリアセンター長)が、「制度疲労の日本経済」と題して講演を行いました。
 この講演は、千葉県生涯大学校・柏南交友会からの委託により、麗澤オープンカレッジ(ROCK)の学習コーディネートとして開催されたものです。今回は170名にのぼる参加者がありました。会場は熱気に包まれ、参加された皆さんは、アベノミクスの政策と日本経済の現状について真剣に学ばれました。

スライドを使って講義する真殿教授
スライドを使って講義する真殿教授
満席となった会場
満席となった会場

 真殿教授はまず、ご自身の生い立ちについて、貧しい家庭で育ち、大阪から上京してきたと語られました。

 早速本論に入り、「日本経済は制度疲労に陥っている。飛行機に例えると、そのまま放置していると金属疲労となり、全体が墜落するおそれがある」と問題提起されました。
 日本経済について真殿教授は、「長期にわたる問題先送りにより問題が複雑化し、問題先送りに慣れたため危機感が欠如している状況にある。従来型の財政金融政策や産業政策では対応は不可能な状態に陥っている」と警鐘を鳴らされました。

 さらに、「"失われた20年"といわれる日本経済の停滞からの脱却を図るアベノミクスの政策は、金融緩和、財政出動、成長戦略の限界が見え始めている。国債発行残はGDPの2倍に、長期の金融緩和と財政出動の効果がないままに、政策の余地が狭まっている」と説明されました。
 また、「日本を見る世界の目は、酒を飲み続けている糖尿病患者を蔑視するような目で見られている」と語られ、構造問題への抜本的な取り組みが急務である旨を熱く語られました。

熱心に聞く聴講者
熱心に聞く聴講者
一つひとつ丁寧に解説されました
一つひとつ丁寧に解説されました

 また真殿教授は、日本は建設業界の従事者が650万人もいて、公共事業の90%は国内の受注によって支えられているという現状は、世界から見て非常に特異なことであると説明されました。
 そのことについて、「アメリカの広大な土地でも500万人である。海外の有識者からは、"日本は100万人もいれば十分だ"と言われている。公共事業が多くの従事者に介され、極めて高コストなものを作り続けていて、それを国が支えているの現状である」と力説されました。

 真殿教授は最後に、日本経済を立て直すには何からとりかかるべきかを説明されました。真殿教授は、「電力改革、企業破たんの在り方の見直し、記者クラブ制の廃止、ネット社会の推進等、課題は山積している」と語られ、従来型の政策の延長で考えず、国全体が「変わらなくちゃあ!」という気概が必要であると熱弁され、盛大な拍手とともに講演会が終了いたしました。

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