ROCKの学習コーディネートにおいて、公益財団法人モラロジー研究所の岩田啓成顧問が講演

2013/11/27

テーマ「道徳はなぜ必要なのか」

 平成25年11月21日、麗澤大学かえで棟1603教室において、公益財団法人モラロジー研究所の岩田 啓成顧問が、「なぜ道徳は必要なのか」と題して講演を行いました。
 この講演は、千葉県生涯大学校・柏南交友会からの委託により、麗澤オープンカレッジ(ROCK)の学習コーディネートとして開催されたものです。当日は150名を超える参加者があり、道徳の大切さについて学ばれました。

 岩田氏は、麗澤高校・麗澤大学と進学され、卒業後はモラロジー研究所に勤務。青少年担当、瑞浪社会教育センター長(岐阜県)、生涯学習副本部長、常務理事を歴任され、現在は同研究所講師室顧問として活躍されています。
 岩田氏は、瑞浪社会教育センター長に5年間勤められた際に、千人以上の方から人生相談を受けられたとのことです。今回は、その当時の相談事例を踏まえて、「道徳の大切さ」について分かりやすく講義されました。

 岩田氏はまず、「人の心はほとんどが自分勝手な心、すなわち利己心でできています。この円がそうです」と、黒板に大きな円を描き、さらにその中心に小さな丸を描かれました。「中心にあるのが思いやりの心、すなわち道徳心です。小さいですね。おまんじゅうに例えると、餡が小さすぎて美味しくありません」と説かれ、「私たち人間は、もともと道徳心は小さいものです。ですが、一生かかって、餡=道徳心を大きくして、美味しいおまんじゅうにするということが、幸せな人生を生きる上で大切なことなのです」と分かりやすく解説されました。

 続いて、相談事例を紹介されました。病院を経営する方からの相談で、医療ミスで若い患者を死なせてしまい、損害賠償として2億5千万円を請求された。とても支払うことができなく、頑張っても1億円が精一杯なため、どうしたら良いか、という相談があったとのことです。
 岩田氏はその加害者に対して「きちんとお参りをしたか?」と問うと「一度目だけして後は門前払いでしてない」と応え、「支払う気が無いのだろう」と問うと、「そのような金額をとても支払うことができない」と応えたそうです。その返答に岩田氏は一喝し、「何度でも諦めずにお参りに行き誠意を見せなさい」ということと、「何年かかっても全額支払います、という肚をくくりなさい」と指導されたそうです。その甲斐あったのか数日後、加害者の方から「その通り行ったら解決しました」という手紙をいただいたのだそうです。
 岩田氏は、「自分の心が、利己心から道徳心に変わった時、相手の心も自然と変わるものです。心には目に見えない力が厳然と働いているのです」と説かれました。

 そのように、相談事例は枚挙にいとまがない程紹介され、心の持つ働きがどのように影響されるのか、どれも分かりやすく解説されました。氏は最後に、「感謝して生きることは難しいことではありません。いつでも、どこでも、誰にでもできるものです。歩いていてもできます。皆さんも良き人生を送ってください」と述べられ、盛大な拍手とともに講演会が終了いたしました。

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