金丸良子教授による講演会「中国 ペー族・ナシ族 文化展」が開催されました

本学外国語学部の金丸良子教授が、平成28年11月26日に麗澤大学生涯教育プラザ1階の
プラザホールにて、「中国 ペー族・ナシ族 文化展」と題して講演し、35名の方が聴講
しました。


金丸教授による公開講演会と展示会は、麗澤オープンカレッジが開校した平成18年から
始まり、通算22回目を迎えました。残念ながら、本年で金丸教授は定年退職されるため、
この講演会シリーズは今回が最終回となりました。

中国・雲南省西北部の盆地には、チベット・インドへと通じる交易路「茶馬古道」の代
表的民族であるペー族とナシ族が居住しています。ペー族は漢民族化の象徴である
「木版画・紙馬」を伝え、ナシ族は独自の「トンパ教」「トンパ文字」を伝承しています。
今回は、この2つの民族の生活文化を中心に紹介されました。
あわせて、金丸教授が蒐集された専門書籍の数々、現地で撮影された多数の貴重な写真
スライドも公開されました。
講演会が開始されるまでの間には、チベットの絶景、秘境をテーマにした動画が上映され、
聴講生は現地へのイメージをふくらませました。



講演会の冒頭、金丸教授は、早稲田大学の第一文学部で中国文学を専攻し卒業後に
改革開放政策が開始された中国の山東省師範大学に赴任されたことなどをはじめ、
ご自身の経歴とこれまでの展示会の主題などについて話されました。

次に金丸教授は、中国と近隣諸国、チベット文化圏などの地図資料を元に、
ナシ族、ペー族の主要居住地域である雲南省西北部の大理、麗江の位置関係など
について説明されました。
麗江は中国国内旅行者にも大変人気で、年間約1,000万人が訪れるかつての王都、
雲南・四川・チベットを結ぶ茶馬古道の交通の要衝であるとのこと。
その茶馬古道では、雲南・四川の茶や塩とチベット・インドのヤクや羊などの
毛皮類が交換されて運ばれてきたことなどが説明されました。

さらに、金丸教授は、ナシ族の文化・風習について、雲南省北部支配層の姓は
「木(ムー)」、一般の人々は「和(ホー)」を名乗ることが多く、婚姻制度は
母系的家族制、夫が妻の元に夜だけ通う「妻問い婚」が特徴的と解説されました。
最後に、金丸教授は、他国、他地域、他文化などに触れる際、歴史とともに、
地理学、地政学的な要素への理解も大変重要と締めくくられました。



講演会終了後には、聴講生から金丸教授に感謝のことばが述べられ、
ナシ族出身で本学に留学中の学生が「金丸先生の研究は素晴らしい。私より
ナシ族のことを良くご存知です!」と言って会場を沸かせる場面もありました。

その後、聴講生は金丸教授が蒐集された品々が展示されているコーナーを
金丸教授と一緒に見学しました。
金丸教授は展示コーナーを歩き回りながら、展示品の解説をされ、聴講生から
の質問に熱心に答えられました。
聴講した方々からは「毎回欠かさずこの講演会に参加してきた。今回が最終回
なんてさみしい」、「金丸先生から直接、話をうかがって理解が深まった」、
「ぜひ麗江やシャングリラに行ってみたい」等の声が寄せられました。



なお、1月23日には、金丸教授の本学での最終講義が予定されています。
詳細は改めて、ホームページや生涯教育プラザ館内掲示等でお知らせする
予定です。
講演会・展示会に関するお話も披露されるかもしれません。楽しみになさ
ってください。

金丸教授の研究室は以下をクリックしてください。
これまでに金丸教授が催された講演会・展示会に関する詳細が掲載されて
います。あわせて、ぜひご覧ください。

<金丸良子教授の研究室>

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