ROCK特別講演会にて阿古 智子氏にご講演いただきました
2025年度前期第1回は、5月17日(土)に「激動の時代、中国とどう向き合う?」と題して、阿古 智子(あこともこ)氏(東京大学総合文化研究科 教授)に、ご講演いただきました。あいにくの荒天の中ではありましたが、会場には180名の方々が集まりました。
阿古氏は、米中対立の現状、東南アジア諸国との関係、中国国内の経済状況や汚職問題、そして言論統制の現状など、多岐にわたる視点から現代中国の複雑な実情を分析。特に、中国における監視社会の実態や、愛国教育による国民意識への影響、そして経済悪化に伴う社会不安の増大について警鐘を鳴らされました。
また、日中関係においては、経済的な相互依存関係の深さを指摘しつつ、中国の政治体制や言論環境の違いを認識した上で、日本が主体性を持って向き合う必要性を強調。日本に在住する中国の知識人との連携や、法の支配といった日本の強みを活かした外交の重要性を提言されました。
質疑応答では、中国国内の言論統制下で日本にいる中国人が発言する意義や、反日教育の影響などについて質問が寄せられ、阿古氏より、中国の多様な側面を理解し、戦略的な視点を持つことの重要性を改めて強調されました。
本講演会は、変動する国際情勢の中で、隣国である中国の現状を深く理解し、今後の日中関係を考える上で貴重な機会となりました。