ROCK特別講演会にて横田哲也氏にご講演いただきました
後期 第1回は、10月12日(土)に「家族・同胞を必ず取り戻す!」と題して、横田 哲也(よこた てつや)氏(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局次長)に、ご講演いただきました。当日は、学園内をそよぐ風に秋の気配を感じつつも日差しに夏の名残を思わせる中、会場には105名の方々が集まりました。
はじめに、拉致被害者である横田めぐみさんと、その4歳下の双子の弟であるご自身の関係を紹介された後、政府拉致問題対策本部が作成したパンフレットを参考にしながら、北朝鮮による日本人拉致問題のこれまでの概要をお話しくださいました。1997年3月の拉致被害者家族連絡会(家族会)の結成以降、団結して政府や外務省等への陳情等さまざまな活動を行ってきたが、その道のりは決して平坦ではなかったと、これまでの厳しい道のりを振り返られました。
続いて、北朝鮮における一般国民の窮状と、それとは対照的な指導部体制との格差について言及され、それを裏付ける資料として国連人権理事会が作成した「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会」(COI)の2014年最終報告書の一部を引用しつつ、現在も悲惨な状況下で苦しんでいる日本人の同胞や他の国々の人々を何とかして救いたいという思いを強く訴えられました。さらに、日本国政府が作成した日本人拉致問題啓発アニメ「めぐみ」が上映され、会場を埋め尽くした受講生は、めぐみさんが経験した恐怖や絶望、ご両親やご家族の苦悩に思いをはせながら、真剣な眼差しでこれを視聴しました。
また、家族会が北朝鮮指導者へ発信した2023年3月の新たなメッセージ「全拉致被害者の即時一括帰国が実現するのであれば、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しない」について触れられ、北朝鮮がこれ以上、問題を先延ばししないよう、日本国政府には自国民の生命や人権が蹂躙されていることへの怒りをもって今後の交渉に臨んでほしいとの思いを強く訴えられました。
最後に、拉致被害者問題は「横田家で起こった可哀そうな出来事」ではなく、「同胞の救出」という日本国民にとっての当事者問題であることを理解し、これからも支援をお願いしたい、と締めくくられました。めぐみさんが拉致されてから47年という途方もない歳月、悲しみや苦しみという言葉では語り尽くせない横田氏の思いと覚悟が、強く胸に迫る講演会となりました。