ROCK特別講演会にて柴崎亮介氏にご講演いただきました

後期 第3回は、1月20日(土)に「AIとの共存:未来へ向けた社会の変容と可能性」と題して、柴崎 亮介(しばさき りょうすけ)氏(麗澤大学教授、副学長)に、ご講演いただきました。当日は、いよいよ寒さも本番を迎え、冷たい風に身が引き締まる空気の中、会場には104名の方々が集まりました。
はじめに、ここ数年の劇的な進化が注目されるAI(人工知能)について、その開発の歴史を紐解かれ、1950年代のメインフレームから現代のChatGPTに至る流れについて、長年関わってこられたデータサイエンス分野の豊富な知見に基づき、大変わかりやすく解説していただきました。その中で、なぜChatGPTが従来型のAIと比較して、格段に性能が向上したのか、その裏側にある技術的背景(インターネット上の膨大な既存テキストをベースとした大規模言語モデルの活用や、それに見合った機械学習の進化等)についてお話しいただきました。ご講演中、ChatGPTでのAIとの応答や、リアルタイムの船舶位置情報や航空機運航情報のモニター画面をスクリーンで示され、実社会においてAI進化とデジタルデータの蓄積が急激に加速していることを、目に見える形で実感させていただきました。
さらには、AlphaGo(コンピュータ囲碁プログラム)や画像生成AIを例として、人が今まで人固有の「創造性」と認識していたものの大部分は、AIの「創造性」を超えていないかもしれないという見方や、この先、AI依存が一段と進む世界で、我々人間は、これまで常識的に培ってきた人間としての能力を維持していけるのかといった問題についても触れられ、AIの成長に合わせた「人間とAIとの共存のあり方」という重要な課題を示されました。
この講演に大いに刺激を受けた受講生からは、AIを自身の身近な問題として捉える様々な質問が寄せられ、この問題に対する関心の高さと真剣さがうかがわれました。


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