ROCK特別講演会にて加藤康子氏にご講演いただきました

前期 第3回は、7月15日(土)に「日本経済のV字回復をめざして」と題して、加藤 康子(かとう こうこ)氏(元内閣官房参与・産業遺産情報センター長)に、ご講演いただきました。当日は、梅雨明けを控えた三連休の初日、会場には101名の方々が集まりました。

はじめに、日本の産業史における二つの重要な転換点:(1)わずか半世紀で工業立国の土台を作った明治維新と、(2)製鉄業と自動車産業を軸として飛躍的な経済成長を遂げた昭和戦後復興について、ご専門の産業遺産にまつわる豊富なエピソードを交えながら紹介され、先人達が「日本の国力を育てることの重要性」について、どれほど深い知見を有していたかを、熱く語られました。そして、現在、グローバルな潮流となっている「脱炭素政策」をはじめとする「WOKEキャピタリズム(「意識高い系」資本主義)」が、これまで日本経済の屋台骨を支えてきた自動車産業にどれほど大きな打撃を与えるかを、EV(電気自動車)推進の現状と課題とともに詳しく論じられ、日本経済を守り育てていくために、今我々に、どのような選択が求められているのかを、強く問いかけられました。さらに後半では、太陽光や風力に代表される再生可能エネルギー発電の耐久性、発電効率、コスト等の問題を挙げられ、日本が未来にも強い経済を維持し、豊かな生活をおくるためには、安価で安定した電力を確保する必要があり、火力や原子力の電源開発の重要性について説かれました。加藤氏からは終始、日本の技術と産業に対する愛が溢れ、受講者の共感が強く感じられる講演会となりました。


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