ROCK特別講演会にて飯山陽氏にご講演いただきました
前期 第2回は、6月17日(土)に「イスラム2.0:イスラム過激派はいつ消滅するか」と題して、飯山 陽(いいやま あかり)氏(麗澤大学客員教授、イスラム思想研究者)に、ご講演いただきました。当日は、梅雨の晴れ間にのぞく青空に夏らしさが垣間見える中、会場には118名の方々が集まりました。
はじめに、大学院生時代のモロッコへの国費留学を端緒としたイスラムとの関わりや、自分の研究を国の役に立てたいという自身の強い思いについて触れられました。さらに、「コーラン」や「ハディース」などの聖典によって示されるイスラム教の教義を紐解きながら、イスラム過激派が生じてきたメカニズムを詳しく解説してくださいました。そこで飯山氏が提示したのが、ソフトウェアの考え方になぞらえた「イスラム2.0」という分析概念。これは、2000年を境に広がったIT革命により、一般のイスラム教信者が、膨大なイスラム聖典の知識に容易にアクセスできるようになった新時代を指す概念であり、これによって、神の「啓示」が、それまでイスラム共同体を導いてきた宗教エリート(=法学者)の手を離れ、一般の人々によって原理主義的に解釈されうる素地が拡がりつつあることを、鋭く指摘されました。受講生からも様々な質問があがり、イスラム問題に対する関心の高さが表れる講演会となりました。